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ちいちゃんのかげおくり

【授業の百科事典】検索システムで「ちいちゃんのかげおくり」を検索すると、2つほど放送がひっかかり、一つは「音読教材」としての扱い方(※実は【授業の百科事典】とは別の動画)と、音読したら、学習のすすめ方をさらっと読んでおしまい。というプランが語られている。伴氏ほどではないが、私も似たような扱いをしてきた。

初任さんが

「4場面をやるんですが、どうしたらいいですか?」

と、指導書のワークシートをPC画面に出して相談してきたので、

「うーん。そのワークシートでやるの?」

「ええ、まぁ。どうしようか考えているんですけど…」

校内重点研究で国語をやっている関係で、ワークシートを使って進めて行かないと話についていけないらしい。「初任困らせたきゃ、ワークシート使え」

そんなことは誰も言ってないが、多くの初任は、使いこなせなくて立ち往生している。

仕方がないので、

「じゃあねぇ、場面を扱うんだったら…」ということで、

「5つ、場面がありましたよね。1,2,3,と来て、4場面、5場面ですが、この5つの場面を2つに分けるとしたら、どことどこの間で分けたらいいですか?1と2のあいだ?2と3?3と4?4と5?」

そんな風に聞いたら、「4と5の間」いうことになるから、じゃあ、

「4場面までと5場面とでは、なにが違うの?」

「漢字2文字で表すと□□と□□。1文字と1文字でもいい。」

「戦争と平和みたいなことになるだろうから、そしたら、

「このお話を書いたあまんきみこさんは、どっちのことをみんなに言いたいの?知ってもらいたいの?」

みたいに聞いてみたらいいんじゃない?そしたら、子どもたちに発表させて、最後に感想。

最初に感想を書かせてるんでしょ?そしたら、それをもういっぺん読んでみて、最初の感想が「かわいそう」とか「かなしい」とか書いてあるんでしょ?それが「戦争は悲しいことが起きるので…」とか、戦争とか平和のことに触れて、ちょっとでも長く感想が書けたら、学習して変わった、成長した、って事になるんじゃないの?

そんなアドバイスをしたところ「はい、それでやってみます」とのこと。

適当に出したプランだが、私も途中で授業に入って「話し合いのすすめ方」の仕切りをやってみせ、子どもたちに3分ほど自由に話し合わせ、「意見が言える人、前に来て発表」させた。すると、発表する子が次々と出てきて、意見を言った子は黒板に短い言葉で書かせ、などの活動があり、普段なら必ずワークシートを前に突っ伏している子はなく、話をちゃんと聞いていた。

「家に帰って、学校でこういう問題で話し合ったんだけど、お母さんは、どっちだと思う?ってきいてみたら?」

(聞いてみよっかな?)みたいな顔付きをしている子数名もいた。

初任さんも、いずれはこんな具合に仕切って授業を進められるといいなぁ、と思っている。(ここまで40分)

(追記)

授業が盛り上がったからといって、その方法が正しいかどうかは別物だ。

この授業は「国語」の授業と言えるのか?

「道徳」の授業になっていないか?

国語と道徳の授業の違いについて【授業の百科事典】で検索してほしい。

検索の際、「国語と道徳の違い」と入力する。誰かが「国語と道徳の違い」というワードをQの中で出していれば、基本データの中に入っているはずなので、タイムリーにヒットする。

何もヒットしなければ「国語と道徳」「国語」「道徳」「国」「道」とワードを変えていく。

「国語」と検索した場合と、「こくご」では、たぶん後者の方がヒット数が多い。

「国」と「こく」も同様だ。

「同様」だと、「同様」という漢字2文字を検索するが、「どうよう」だと、「同様」「動揺」「童謡」などの同音異義の漢字もヒットするはず。

このあたり、検索システムを使うときのコツになってくる。

それはさておき、先ほどの問い。

私は国語でもなく、道徳でもなく、「思想教育」(プロパガンダ)になってしまっていると思う。

教材に問題があると判断したら、「音読してスルー」すれば、「主たる教材」として扱ったことになるのでノープロブレム。

「扱わないでスルー」すれば、「スルーした理由」が問われる。

「ちいちゃんのかげおくり」をはじめ、「一つの花」「たずねびと」など、戦争を題材としている教材は多い。

これらを教科書に入れないと、教材を採択する教育委員の方々に採用してもらえないとか、教科書を編集している編集委員のお偉い大学教授や退職後もずっと教科教育を牛耳っている元校長先生方、そのシンパの人たちの協力を得られないという大人の事情(それ以外のことも容易に想像できる)が絡んでいる。

そうしたことを知らないで扱うのはかなり危険だが、ほとんどの人は知らないんだろう。(+15分)

(11/1一部修正)