· 

計算ドリル=最初にやるか?最後にやるか?

テンポよくメリハリをつけて授業を進めている。

ところが

「うーん、思うように平均点上がらないなぁ、、、スピードの上げすぎなのかなぁ、、」

と悩む時がある。

原因はいくつか考えられる。問題は、授業の速さではなく、別のところにある。

たとえば「計算ドリル」。

市販ドリルは、教科書で学習する1~2ページ分に対応させて作られている事が多い。これを「いつ」使っているだろう?

①その日の時間内に取り組ませる。

②その日の宿題で取り組ませる。

③翌日の朝自習の課題で取り組ませる。

④翌日の授業開始に取り組ませる。

⑤単元末までのイレギュラーな自習時間等に取り組ませる。

⑥単元末のまとめの問題が終わったら補充問題として取り組ませる。

 一番学習効果が高いのはだ。

ところが②⑤⑥のような扱いをしている人は少なからずいる。

②③④は似たり寄ったりだが、⑤⑥は正答率が落ちるだけでなく、学力低位の子は1問も解けず、ぼーっとしていたり立ち往生している姿を見かける。

なぜこうなるのか?

低位の子には「テスト」をさせているのと同じ状況になっている。

最もいけないのは⑥。時間無制限で何本も苦手な戦いを強いている。

すると学力低位の実力が発揮される。すなわち―簡単な所で躓く。やり方を忘れている。最後までやらないと終わらないので時間がかかる。イライラする。やる気を失う。

ドリルの使用効果が最も高くなるのは学習直後だ。

ならば授業のラスト5分は

①2分間でドリル。

②1分で答え合わせ。

③残り2分で残った問題に取り組む。

というようにタイムマネージメントすれば、テスト状態を避けられる。

この際、「2分間で取り組む量を自分で選択させる」ことが重要だ。

自信がある子は10問全部。ちょっと心配な子は偶数問題だけ半分。確実に100点取りたい子は、基本となる2問を先生が「1番と6番、丸つける」と指定してやって取り組ませる。

2分取り組めば答え合わせ。学力低位の子は、2分間で2問やったところでまちがいが修正できる。すると、ラスト2分で残り8問をやる時に、まちがったままのやり方で解き続けなくて済む。

学力上位の子にとっては、同じ時間で全部の問題を解き終え、しかも満点なのだから自己肯定感は高まっている。

「緑△1番①~やっといてください」と子供に丸投げして取り組ませると、低位の子は苦しいということを頭に入れ、そうした子たちの動きを見て、すぐにヒントを出すとかするなどの手立てを打つことが学力向上につながる。他にもあると思うが、またの機会に。