教師用の指導書。一体どんなことが書かれているのか?子どもの頃、先生が使っているあの「虎の巻」が手に入れば、勉強ができるようになるのになぁ、、、と思ったものだ。
答えはもちろん、授業のやり方が全部書いてあるはず。
あれさえ手に入れば、先生みたいに授業ができるはず。
「先生、それ、見ていい?答え書いてあるんでしょ?」
「だめ!これはね、、、、」
なかなか見せてくれないと、見たくなる。先生がいない時にのぞき見してみると、文字だらけで小学生にはさっぱり分からなかった。
でも、「あれさえ手に入れば、、、」という思いはずっと残っていて、教師になってわくわくしながら指導書を読んでみると、「あれ?さっぱりわからん」
そうなのだ。さっぱりやり方がわからない。これじゃ授業できない、と素人レベルでも瞬時に分かる。ワークシートが付いているので、それを使ってやればなんとかなるかな?と思って使ってみるが、すぐにこれも使えないことが分かる。授業が全く面白くなく、マス目が全然埋められない。大体、大人が埋められないモノを、どうやって子どもが埋められるというのか。それが一冊1万円前後もするのだから信じられない。普通の人はそんなものは買わない。
そんな役に立たない指導書なのだが、そこには年間指導計画というのが載っていて、教科書のここからここまでは1時間で扱って、次はここまで、という目安が書かれている。
これを日本全国、かなりの先生が、目安として授業をしている。
これは、どうやって出しているのか。国語などは作文を年間50時間程度扱え、となっているので、総ページ数を配当時間の割合で配分している気配が濃厚だ。
そう考えてみると、一番分かりやすいのが算数。
教科書のページ数÷学年配当時間
3年生なら、上下巻合わせて約300ページ。175時間で割ると1時間当たり2ページにやや足りない。巻末には補充問題などがあるので、それを差し引くと基本は1時間1ページ強。指導書を見ると、まさにそのように配当されている。
他に「マイページ」だとか「学習のしあげ」、単元最初に必ずある「学習のとびら」的なページを配当時間から差し引くと、実際は1時間当たり1ページ程度になる。
だから算数は1時間1ページ進めば大丈夫、という頭でいると、ちょっと進度が遅れた場合、1日に2コマ入れて挽回しようと考えてしまう。
これをやられて一番困るのは学力低位の子だ。苦手な学習が一日に2時間も入るのはたまったもんじゃない。上位の子にとっても同じだ。すぐわかることを、だらだらと遅い進み方で2コマ付き合わされたらイライラしてくる。
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